和而不同

日本、台湾、ときどきアメリカ

閉じられた、引き裂かれた世界への第一歩

ただいまアメリカ東海岸時間午前6時半。
寝付けなかった理由はただひとつ、イギリスのEU離脱が(ほぼ)決定したからです。
全世界の予想を覆したこの決定、考えれば考えるほど空恐ろしくて一晩中ニュースを読み漁った結果、一睡もできないまま朝を迎えてしまいました。スマホのブルースクリーンってやっぱり睡眠の妨げになるんだな。

 

英EU離脱を問う6月23日の英国国民投票、通称「BREXIT(REFERENDUM)」。懸念はあったけど、今までも離脱に関する議論はあったし、実際のところ結局EU残留という元鞘に戻ると思っていたのです。

結果、EU離脱に一票を投じた人数が僅差ながらEU残留を求める人数を上回った。
日本に住む友人が、「ニュースを読む人が噛みまくってた」と教えてくれましたが、ニュースもSNSも上へ下への大騒ぎでしたね。株価急落、為替相場が大荒れなのも、衝撃の大きさを物語るようです。

 

CNNのアンカーが言いました。

"United Kingdom is divided as well."

残留か離脱か、引き裂かれたイギリス。
それは奇しくも11月の大統領選挙を前にヒラリーとトランプの間で揺れているアメリカによく似ています(トランプが今スコットランドにいるのは何の因果なのか)。

英国民の半数がEU離脱を望み、米国民の一部がトランプを支援する主な理由は、
1)近隣諸国から流入してくる移民を制限することで「自国民」の職や安全を守ることであり、また、
2)経済的に足枷となる(成り得る)国への責任を切り離すことで「自国民」への経済的負担を減らす
という二点に集約されます。

移民を受け入れず国際的関与を減らす―――つまり国を閉じる方向に向かうということ。

たとえば私が今「日本は即刻移民を大量に受け入れ、アジア諸国の治安の維持と経済の安定のために大きく貢献せよ」と言われたらすぐに頷けるとは思えない。「それが日本国民の利益を損なわない限りならOKだよ」としか言いようがない。

だからこそアメリカやイギリスをはじめとした西側諸国を評価していたのに、今回の結果やトランプ支持者の広がりを見ていると、それらが掲げる「多様性における統合」「国際協調」といった理念、そしてグローバリズムに限界が近づいているように感じられてしまうのです。

 

世界は、内へ、内へと向かっているのかもしれない。

 

英国のEU離脱がほぼ確実になってしまった以上、今後もしかしたらアイルランドやスコットランド、スペインのカタルーニャ州が独立を宣言する可能性も考えられます。また、西側諸国の一翼を担う大国の内向的な選択が、フランスやオランダ(もしかしたらドイツも)といった移民に好印象を持っていない他国の保守派に与える影響は甚大です。

そして、今回の英EU離脱がアメリカの保守派有権者に与える影響は計り知れません。トランプは スコットランドの地で イギリスの選択を支持し、「イギリスは離脱することで強くなる」「離脱は正しい選択だ」と言いました。この結果を見て喜んでいるのはトランプと、テロリスト集団、そしておそらく中国ロシアなど共産主義国・・・

今回のイギリスの選択が閉じられた、引き裂かれた世界への第一歩とならないことを心から願って止みません。